家を建てるのに良い日とされている「建築吉日」とは?
家を建てるのに良い日とされている
「建築吉日」とは?
- 昔からある吉凶の決め方がある
- 北斗七星の向き?
住宅建築の際に行なう「ご契約」「(建て替えなどの場合は解体)着工」「地鎮祭」「上棟」「お引渡し」などの節目がありますが、日程を決める時は特別なカレンダーとにらめっこになることがあります。
これは、古くから伝わる「十二直(じゅうにちょく。中段十二直とも言います)」という暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項)の一つを参照しているのです。
そういうのって…大安、仏滅とかのアレ!を思い浮かべた方も多いと思います。
いろんな節目の日を決める際に、この大安、仏滅~はよく使われます。
これは「六曜(ろくよう、りくよう)」と言われ、中国由来の歴注の一つです。
また、占いでよく見かける「九星(きゅうせい)」も吉凶を占うのに使われています。
十二直って何?
先の六曜、九星と同じく、中国由来の暦注で、もとはカレンダーのように使われていたのですが、のちに吉凶を占う手段に用いられるようになりました。日本では六曜よりも古く、飛鳥時代から使われており、奈良時代に建てられた正倉院の宝物庫の中にも十二直の暦が書かれた書物が収められています。
十二直は、天球上、北の空で動かない北極星の周りをまわる「北斗七星」の向きをもとにして12の分類をしています。
ちなみに、六曜と聞いてピンときた方もおられるかと思いますが、今の「月曜日~日曜日」は「七曜」と言われています。
北斗七星は古代から畏敬の念をもたれていた星座で、昭和初期まではよく当たる、最重視されていた歴注ではあったのですが、現在では先の六曜や九星がメジャーになってきています。
冠婚葬祭では六曜をよく参考にされますね。
ですが、建築業界ではこの十二直が現在でもよく使われています。
十二直の分類
十二直(読み方) | 意味 | 運勢(建築以外の吉凶も含む) |
建(たつ) | 万物を建て生じる日 | よろず大吉の日。動土と蔵開きは凶。 |
除(のぞく) | 障害を取り除く日 | 井戸掘り・治療開始・祭祀は吉。結婚と動土は凶。 |
満(みつ) | 全てが満たされる日 | 新規事・移転・結婚は吉。動土と服薬は凶。 |
平(たいら) | 物事が平らかになる日 | 旅行・結婚・道路修理は吉。穴掘りと種蒔きは凶。 |
定(さだん) | 善悪が定まる日 | 開店・結婚・移転・種蒔きは吉。旅行と訴訟は凶。 |
執(とる) | 執り行う日 | 祭祀・祝い事・造作・種蒔きは吉。金銭の出入りは凶。 |
破(やぶる) | 物事を突破する日 | 訴訟・出陣・漁猟・服薬は吉。祝い事と契約事は凶。 |
危(あやぶ) | 物事を危惧する日 | 万事控えめに。 |
成(なる) | 物事が成就する日 | 新規事・建築・開店は吉。訴訟と談判は凶。 |
納(おさん) | 物事を納め入れる日 | 収穫と商品購入は吉。結婚と見合いは凶。 |
開(ひらく) | 開き通じる日 | 建築・移転・結婚は吉。葬式は凶。 |
閉(とづ) | 閉じ込める日 | 金銭出納と建墓は吉。棟上げ・結婚・開店は凶。 |
上の表が十二直の内容です。オレンジ色の部分がいわゆる「建築吉日」とされる日で、この日によく冒頭で書いた住宅のイベント・節目を設定します。
十二直と絡めて…
あと、建築業界では…
- 天赦日、一粒万倍日
- 三隣亡
- 土用
の3つ(ん…4つか…)の要素も絡んできます。
この4つは今回の十二直や六曜とはまた別の吉凶を占うもので「選日(せんじつ)」と言われるもので、建築業界でも意識して組み合わせて日程決めの目安としています。
「天赦日(てんしゃび)」「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」この2つは十二直とはまた違いますが、建築吉日でも特に良い日とされています。
天赦日とは「天が赦す(ゆるす)日」とあるように、百の神様が天に昇り、万物の罪を赦す日として、何事をするにも良い大吉日と言われています。
一粒万倍日も文字通り、一粒のモミが何万倍もの稲穂として実りをもたらす日とされており、種まきや新しいことを始めるのに最適な日と言われています。
天赦日も一粒万倍日も、建築現場では地鎮祭や上棟を行なうのに吉日と言われています。
逆に、三隣亡(さんりんぼう)と、土用(どよう)は縁起の悪い日(期間)とされています。
三隣亡は、火難により、三軒両隣を焼き亡ぼすと言われ、建築では縁起の悪い日とされています。古い地域や年配の方が多い地域などでは気にされる方もおられるので注意が必要です。
十二直の建築吉日と重なった場合は三隣亡を優先してこの日には地鎮祭や上棟などは行わないようにしています。
土用というと「土用丑の日」を想像される方が多いと思いますが、期間としてはまさにそれで、年4回あるこの期間には地面をいじる基礎工事などは着工しない方が良いとされています。土用の期間は、立春、立夏、立秋、立冬前の18~19日間です。気候が大きく変わる時期なので、土を触る工事を避けた方が良いと言われるのが由縁だそうです。
…と、ここまで建築吉日と縁起の悪い日について解説してきましたが、人生において最大の買い物であるおうちですから、なるべく建築吉日を選びたいところですね。ですが、十二直で言うところの建築吉日は1ヶ月の中でも結構ありますので、気を張って思い詰める必要はありません。
ネットでも検索できますし、ホームサポートのスタッフもスケジューリングの際は気にしておりますのでご安心ください。
まとめ?
ちなみに、ホームサポートの2022年カレンダーには建築吉日と六曜を載せています。 よかったらおひとつどうぞ( ´艸`)